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第II相医師主導治験 WJOG17723M (FUTAB-CUP(フタバ・カップ))

第II相医師主導治験WJOG17723M(FUTAB-CUP(フタバ・カップ))

原発不明癌に対するAB122+TAS-120の有効性を検討する第II相医師主導治験

公開日:2026年5月12日 最終更新日時:2026年5月14日

フェーズ 第II相
目標症例数 103例
登録期間 2026年4月~2029年3月
対象 原発不明がん(予後不良群)と診断された患者さん
外部リンク jRCT2051260023

Point

谷﨑 潤子
近畿大学病院
腫瘍内科
原発不明癌は、様々に検査を行ってもがんが最初に発生した臓器(原発巣)を特定できないがんで、診断時にすでに全身へ広がっていることが多く、予後は極めて不良な疾患です。これまでプラチナ製剤を含む化学療法が標準的に行われてきましたが、その後の有効な治療法は確立しておらず、新たな治療選択肢が強く求められてきました。近年、本邦で実施された医師主導治験(NivoCUP試験)により抗PD-1抗体であるニボルマブの効果が示され、免疫チェックポイント阻害薬がこの領域でも有望であることが明らかになっています。 本試験では、抗PD-1抗体AB122と、FGFR阻害薬として開発が進められているTAS-120を組み合わせた併用療法の有効性と安全性を検討します。AB122は、すでに有効性が示されているニボルマブと同じく、がん細胞が免疫の攻撃から逃れる仕組み(PD-1経路)を解除することでT細胞によるがん細胞への攻撃を回復させる薬剤です。一方TAS-120は、もともとFGFRという遺伝子の異常を持つがんに対して開発されてきた薬剤ですが、近年の基礎研究や企業治験において、FGFR遺伝子異常の有無にかかわらず、腫瘍の周囲の免疫環境を変化させて抗PD-1抗体の効きやすい状態をつくる「免疫調整作用」を持つことが示唆されています。実際に、AB122とTAS-120の併用は、抗PD-1抗体単剤では効果が十分でなかった一部のがん種においても有望な成績が報告されており、原発不明癌でも同様に上乗せ効果が期待されます。 本試験では、化学療法未治療の患者さんと、プラチナ療法を受けたあとの患者さんの両方を対象とします。プラチナ療法既治療例については、AB122単剤群とAB122+TAS-120併用群とにランダムに割り付け、独立した中央判定による奏効率(治療によってがんが縮小した患者さんの割合)を主要評価項目として、併用療法の効果を客観的に評価します。 本試験を通じて、これまで有効な治療選択肢の限られていた原発不明癌の患者さんに対し、AB122+TAS-120併用療法という新しい治療の可能性をお届けできることを期待しています。