委員会

乳腺グループ

委員長よりご挨拶

WJOG乳腺グループは、2009年に設立され、2014年に私が委員長となりました。そのときに掲げた標語が、「WJOGと言えば乳腺、乳腺と言えばWJOG」です。WJOGは、肺癌の臨床試験グループとして設立された歴史があり、呼吸器グループや消化器グループと比べて、乳腺グループの業績はまだまだ少なく、発展途上にあります。それでも、いつの日か、WJOGと言えば乳腺のグループだと言ってもらえるようになるんだ、世界中で、乳腺の臨床試験グループといえばWJOGだと言ってもらえるようになるんだ、という意気込みで取り組んでいます。

WJOGが守ってきた「質の高い臨床試験」の伝統を守りながら、時代を先取りする柔軟な発想で、新しく質の高い臨床研究を実施し、世界にエビデンスを発信していきたいと考えています。WJOG主導でグローバル試験を実施することも目標としています。国内外の臨床試験グループと協調するとともに、競争もして、乳腺領域におけるプレゼンスを確立していくつもりです。そして、WJOG乳腺グループが最も力を入れているのが、時代を切り拓く若手人材の育成です。WJOG乳腺若手会BRIGHTが活発に活動し、乳腺グループ全体を牽引してくれていますが、取り組むべき課題はまだまだありますので、引き続き、やる気のある人材を求めています。是非、一緒に世界を変えていきましょう!

乳腺委員会 委員長

高野 利実

活動概要

WJOG乳腺グループは、2007年に前身のNPO法人WJTOGからNPO法人WJOGへの改名に伴い、複数のがん腫についての臨床試験ができる体制となり、新規グループとして立ち上がりました。 発足後より、乳癌に関連した多くの臨床研究を行ってきております。

現在のWJOG乳腺グループは、全国100以上の施設で構成され、今も多くの臨床試験および医師主導治験が進行中です。具体的な活動は、1か月に1回のアドバイザー会議および、年に4回程度の乳腺グループ会議を開催し、日々新たな臨床試験の発案・検討・実施しております。

近年、乳がん領域では、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬、抗体薬物複合体などの新たな治療薬が、周術期や転移再発乳がんの治療に使用されるようになり、劇的な変化が生まれています。WJOG乳腺グループは、まだまだ発展途上ではありますが、いずれは「WJOGと言えば乳腺、乳腺と言えばWJOG」と、世界中の研究者から言われるようになる日を目指して、これからも全力で取り組んでいきます。

BRIGHT(WJOG呼吸器グループの若手会)のご紹介

Breast cancer International Group of Highly Trained oncologists in WJOG (BRIGHT)は、WJOG乳腺グループの若手会として2019年2月23に発足しました。毎年春頃に新規メンバーを公募で募集しており、年々メンバーは増え続け現在は全国の施設に所属する腫瘍内科医、乳腺外科医を中心に計27名で構成されています。BRIGHTは臨床試験の立案、運営にも積極的に関わっており、現在BRIGHTメンバーがPIを勤める臨床試験が複数進行中です。

ASCOやESMO、SABCS等の主要学会後には興味深い演題について勉強会を行い、熱い議論が交わされています。その他にも不定期で議論の元となるような投稿がslack上で頻繁に行われています。乳腺グループシニアメンバーと連携を取りながらBRIGHTメンバーで切磋琢磨しています。今後のWJOG乳腺グループの発展と、より良い臨床研究に寄与できるよう日々努めています。

所属メンバー

  • Toshimi Takano
    委員長

    Toshimi Takano

    高野 利実

    がん研究会有明病院
    乳腺センター・乳腺内科

  • Kenjiro Aogi
    副委員長

    Kenjiro Aogi

    青儀 健二郎

    四国がんセンター
    乳腺外科

  • Junji Tsurutani
    副委員長

    Junji Tsurutani

    鶴谷 純司

    昭和大学
    先端がん治療研究所

  • Hirokazu Tanino
    副委員長

    Hirokazu Tanino

    谷野 裕一

    公立那賀病院
    乳腺外科

役職氏名施設名診療科名
アドバイザー上野 貴之がん研究会有明病院乳腺外科
アドバイザー松本 光史兵庫県立がんセンター腫瘍内科
アドバイザー徳永 伸也大阪市立総合医療センター腫瘍内科
アドバイザー二村 学岐阜大学医学部附属病院乳腺外科
アドバイザー下村 昭彦国立国際医療研究センター病院乳腺センター
アドバイザー古川 孝広がん研究会有明病院がん早期臨床開発部
アドバイザー岩朝 勤近畿大学病院腫瘍内科
アドバイザー向原 徹国立がん研究センター東病院乳腺・腫瘍内科
アドバイザー田辺 裕子虎の門病院臨床腫瘍科
アドバイザー増田 紘子昭和大学病院乳腺外科
アドバイザー須藤 一起国立がん研究センター中央病院腫瘍内科
アドバイザー馬場 基砂川市立病院乳腺外科

代表的な実績

WJOG9917B Ozaki Y, Tsurutani J, Mukohara T, Iwasa T, Takahashi M, Tanabe Y, Kawabata H, Masuda N, Futamura M, Minami H, Matsumoto K, Yoshimura K, Kitano S, Takano T. Safety and efficacy of nivolumab plus bevacizumab, paclitaxel for HER2-negative metastatic breast cancer: Primary results and biomarker data from a phase 2 trial (WJOG9917B). Eur J Cancer. 2022 Aug;171:193-202.
WJOG12519B Yokoe T, Kurozumi S, Nozawa K, Ozaki Y, Maeda T, Yazaki S, Onishi M, Fujimoto A, Nakayama S, Tsuboguchi Y, Iwasa T, Sakai H, Ogata M, Terada M, Nishimura M, Onoe T, Masuda J, Kurikawa M, Isaka H, Hagio K, Shimomura A, Okumura Y, Futamura M, Shimokawa M, Takano T. Clinical benefit of treatment after trastuzumab emtansine for HER2-positive metastatic breast cancer: a real-world multi-centre cohort study in Japan (WJOG12519B). Breast Cancer. 2021 May;28(3):581-591.
WJOG6811B Matsumoto K, Takahashi M, Sato K, Osaki A, Takano T, Naito Y, Matsuura K, Aogi K, Fujiwara K, Tamura K, Baba M, Tokunaga S, Hirano G, Imoto S, Miyazaki C, Yanagihara K, Imamura CK, Chiba Y, Saeki T. A double-blind, randomized, multicenter phase 3 study of palonosetron vs granisetron combined with dexamethasone and fosaprepitant to prevent chemotherapy-induced nausea and vomiting in patients with breast cancer receiving anthracycline and cyclophosphamide. Cancer Med. 2020 May;9(10):3319-3327.
WJOG6110B Takano T, Tsurutani J, Takahashi M, Yamanaka T, Sakai K, Ito Y, Fukuoka J, Kimura H, Kawabata H, Tamura K, Matsumoto K, Aogi K, Sato K, Nishio K, Nakagawa K, Saeki T. A randomized phase II trial of trastuzumab plus capecitabine versus lapatinib plus capecitabine in patients with HER2-positive metastatic breast cancer previously treated with trastuzumab and taxanes: WJOG6110B/ELTOP. Breast. 2018 Aug;40:67-75.

実施中の臨床試験