第8回朝日肺がんフォーラム

がんと向き合うために~患者と医師と家族とのコミュニケーション~

参加無料,定員1000名
開催日 2009/10/4(日曜)13:30-16:00
会場 御堂会館
主催 NPO法人西日本がん研究機構(WJOG)、朝日新聞社
協賛 アストラゼネカ株式会社
後援 厚生労働省、大阪府医師会、社団法人大阪府看護協会(予定)

ごあいさつ

がんは国民の死因第1位です。 昨年は33万人ががんで亡くなりました。 なかでも、肺がんが急増しています。 我が国では、昨年は年間8万人以上の方が肺がんにかかりました。 数年後には15万人になると予想されています。 肺がんは21世紀の国民病といっても間違いはありません。

そのような背景のなか、3年前に「がん対策基本法」という法律が制定されました。 この法律の大きな特徴は、政治家と医学専門家に加えて、がんの患者さんが法律の立案にかかわり、患者さん・家族・医療従事者・社会が一つに繋がりあってがん対策に取り組もうという精神で作られた点です。 その中でうたわれていることは、「研究」と「正確な統計」をもとに、「禁煙」や「検診」などの予防対策に努め、 同時に現代の医療で立ち遅れている「がん薬物療法の専門医」や「放射線治療の専門医」を育て、 患者さんにはきちんとした「相談窓口」を置くことでがんに向き合うための正確な情報を提供し、 最終的には「がん死亡の減少」と「がんの患者さんとそのご家族の生活の質の向上」を実現させるということです。

今年で第8回を迎えた朝日新聞社とNPO法人西日本がん研究機構(WJOG)主催の朝日肺がんフォーラムには、二つのテーマを設けました。

肺がんの検査と診断はどうやって行うのでしょう? 肺がんの治療は進歩しているのでしょうか? がんにかかると気持ちや生き方はどうなるのでしょうか? がんの痛みや苦しみは防ぎようのないものでしょうか? そんな疑問にお答えすることが今年のテーマのひとつです。

そして、もう一つのテーマは、がんの患者さんと医者と家族の繋がり。 がんは決して簡単な病気ではありません。 それぞれの力を結集してがんと向き合うことで体にも心にもあらたな力がわいてくるはずです。 このフォーラムを通じて、「みんな、繋がっていること」を確認することができれば幸いです。

2009年10月
特定非営利活動法人西日本がん研究機構(WJOG)
朝日新聞社

プログラム

第1部

あいさつ 「はじめに」
 中西洋一 WJOG理事長,九州大学呼吸器内科学分野教授

基調講演1 「肺がんの診断について」
 駄賀晴子 大阪市立総合医療センター臨床腫瘍科

基調講演2 「肺がんの治療について 標準的治療と今後の展望」
 吉岡弘鎮 財団法人倉敷中央病院呼吸器内科副医長

ゲスト講演 「『生きている喜び』末期がんからの生還」
 小西博之 俳優

WJOG紹介 「WJOGの活動と患者さん向けガイドブックについて」
 澤 祥幸 WJOG理事,WJOG教育・広報部副部長,岐阜市民病院呼吸器科・腫瘍内科部長


第2部

パネルディスカッション
テーマ がんと向きあうために~患者と医者と家族の繋がり方~
出演者
 江口研二 (帝京大学腫瘍内科教授,WJOG教育・広報部部長)

 工藤新三 (大阪市立大学化学療法センター長,WJOG理事)

 辻野佳世子(兵庫県がんセンター放射線治療科部長)

ゲスト:小西博之

コーディネーター:田村あゆち(フリーアナウンサー)

出演者紹介

第1部 講演
中西洋一先生
九州大学胸部疾患研究施設施設長、WJOG理事長
1980年九州大学医学部卒。 九州大学医学部附属病院(現九州大学病院)の助手・助教授などを経て、2003年5月から現職。 九州大学病院高度先端医療センター長、九州大学胸部疾患研究施設施設長も兼任。 今年の5月から、九州大学主幹教授。 日本呼吸器学会、日本臨床腫瘍学会など数多くの学会で、理事などを務める。
駄賀晴子先生
大阪市立総合医療センター臨床腫瘍科副部長
1995年広島大学医学部卒。 広島大学医学部附属病院、広島赤十字・原爆病院などを経て、2007年4用から大阪市立総合医療センター臨床腫瘍科に勤務。 現在、同科副部長。 日本内科学会、日本臨床腫瘍学会、日本呼吸器学会なとに所属。 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医などの資格を持つ。
吉岡弘鎮先生
財団法人倉敷中央病院呼吸器内科副医長
2000年岡山大学医学部卒。 財団法人神戸市地域医療振興財団神戸医療センター、神戸市立中央市民病院を経て、05年から財団法人倉敷中央病院に勤務。 現在、呼吸器内科副医長。 日本内科学会、日本呼吸器学会、日本肺癌(がん)学会、日本緩和医療学会などに所属。 「緩和ケアフォーラムin岡山」の世話人も務める。
小西博之さん
俳優。和歌山県出身。 2005年に腎臓がんの大手術を行い、現在は仕事を行えるまで回復した。 90日間にわたる壮絶な闘病生活を体験し、自身を見寺っていてくれる人々の存在に改めて気づき、「前向きに生きることJの大切さ、「すべての人々へ感謝の心」を学んだ。


第2部 パネルディスカッション
江口 研二先生
帝京大学医学部腫瘍内科教授
1973年慶應義塾大学医学部卒業。 国立がんセンターレジデント、国立がんセンター中央病院内科医員、国立病院四国がんセンター副院長、東海大学医学部内科学系教授などを経て現在に至る。
日本緩和医療学会理事長・日本呼覗器学会腫瘍部会長・日本CT検診学会理事など。
工藤新三先生
大阪市立大学医学部附属病院化学療法センターセンター長
1981年大阪市立大学医学部卒業、大阪府立羽曳野病院第2内科、大阪市立大学呼吸器内科助手、同講師、大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器病態制御内科学准教授、2008年から現職。
辻野佳世子先生
兵庫県立がんセンター放射線治療科部長
1987年神戸大学医学部卒。 神戸大学医学部附属病院放射線科、米国工モリー大学放射線腫瘍科、兵庫県立成人病センター放射線科医長などを経て、2007 年4月から現職。 本医学放射線学会、日本放射線腫瘍学会、日本癌治療学会、日本肺癌学会、日本乳癌学会などに所属。
田村 あゆちさん
フリーアナウンサー
米ミシガン大学卒。 東京大学大学院修了。 オーストラリア、アメリカで学生時代を過ごし、遺伝子研究を経て、1998年にフリーアナウンサーに転身。 NHK 教育、NHKラジオジャパン、TBSラジオ、CS朝日ニュースターなどにキャスターとして出演。 現在は理系のバックグラウンドを生かし、健康・医学系のシンポジウムのコーディネーターも務める。